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頑張ろう、STAY HOME 料理の紹介 今日も鮎 [料理]

頑張ろう、STAY HOME 料理の紹介 今日も鮎

 数年前に空飛ぶ食いしん坊料理教室の10周年記念として過去の料理教室で紹介したレシピの集大成を電子版レシピ本としてご参加の皆様へ配布いたしましたが、これからそのレシピをみなさまにご紹介していきたいと思います。料理はもちろん魚介類、単独の魚の種類は22種類、そのほか貝や甲殻類です。合計で189のレシピが載っています。もちろんこのブログの中でも半数は紹介されています。さらに世界を食べ歩き、シェフにレシピを聞いたり想像したりして作りました。
 自宅で長い間家族が一緒、一番の幸せは食事でしょう。Stay Home、頑張ってください。毎日の料理を考えるのは大変なこと、みなさまの参考になれば幸いです。
 そしてみなさまが外出を控えることにより医療崩壊を防ぎ、かつ医療活動をしている方たちを救うのです。

今日も鮎が続きます。
鮎のコンフィと夏野菜のマリネ
鮎料理の中でも大好きな一品。オリーブオイルでコンフィすれば香りが移り、サラッとしていて良い。きゅうりのソースはコンフィで消えてしまう香りを加えるのです。
confit.jpeg
【材料】4人分
鮎・・・・・・・・・・・・・4匹
ズッキーニ・・・・・・・・・1本
タイム・・・・・・・・・・・少々
ミニトマト・・・・・・・・・8個
パセリ・・・・・・・・・・・少々
塩・胡椒・・・・・・・・・・適量
オリーブオイル・・・・・・・大さじ4
白ワインビネガー・・・・・・大さじ3
植物性オイル・・・・・・・・500cc(コンフィ用)
 
【作り方】
1.鮎の鱗と滑りを取り、奇麗に洗い水気を拭き取って、ホウロウ鍋に入れる。そこへ植物性オイルを魚がヒタヒタになるまで入れ、ローズマリーを入れて火をかけ100℃まで温度を上げる。
2.この間にオーブンを110℃に余熱しておく。①が100℃になったら2時間オーブンに入れる。
3.ズッキーニはスライサーで薄くスライスして冷蔵庫に入れておく。
4.3.のズッキーニはコンフィができる30分前に塩をして15分ほど置き、その後ワインビネガー少々とオリーブオイルを入れてマリネする。
5.2.が出来たら油気を切ってからフライパンで表面を焼く。
6.5.を皿に置き塩を振り、4.とミニトマトを半分にしたものを飾る。
下記の胡瓜ソースも香りが良い。

胡瓜ソース
1.きゅうりは塩をして板ずりして沸騰した湯に15秒浸して冷水に取る。
2.1.のきゅうりの両端を切り擦りおろしてから絞り汁を作り、レモンの絞り汁、塩、はちみつで味を整える。(1時間ほど置くと味が落ち着く)

近年コンフィを作るにはジップロックを使って簡単にできます。しかし低温調理用の機材が要ります。
ジップロックに魚とオイルをひたひたになるまで入れて、鍋やコンテナに80度程度のお湯をいれ、ジップロックの中身が流れでないようにコンテナの縁に固定し、低温調理の機器で湯温を一定に保ち2時間程度おく。

我が家では20年ほど前に理科実験用の機材でこの低温調理を行っていましたが、近年安価で便利な機材が出回っています。
肉料理、魚料理、貝料理なんでもできます。

こちらのオリーブオイルは生徒さんが輸入販売しているもの。香りも品質も素晴らしいです。伊勢丹のイタリア展でも出品しています。
https://www.arancia-rossa.com

鮎の甘露煮
 15年近く通ったFOODEXでフードライターの知人が紹介してくれた大分県日田にある「まるはら」さんが鮎醤を作っている。レシピを試作してくれと言われ作った一品。鮎醤で作ったら黄金に仕上がった。
kanoroni.jpeg
【材料】4人分
​
鮎・・・・・・・・・・4 匹
鮎醤・・・・・・・・・大さじ3
薄口醤油・・・・・・・大さじ1
酒・・・・・・・・・・大さじ2
みりん・・・・・・・・大さじ2
ザラメ・・・・・・・・大さじ2
水・・・・・・・・・・カップ 1/2
ハジカミ・・・・・・・飾り用

【作り方】
1.鮎の鱗を取り、奇麗に洗い水気を拭き取る。
2.圧力鍋に鮎、酒、みりん、ザラメを入れて火にかける。
3.2.のアルコール分が飛んだら、鮎醤油、薄口醤油、水を足し圧力鍋の蓋をする。
4.圧力鍋から蒸気が出たら中弱火にして10分。その後火を消して5分ほど待ち、圧力を抜く。
5.圧力鍋から鮎を取り出し、汁を小鍋に移してとろみがつく迄煮詰める。
6.皿に鮎を置き、汁をかけハジカミを飾って出来上がり。

鮎醤


鮎の生息域は学術的には北は北海道からベトナム近辺までとされていますが、海外で見たことがありません。食材的には日本独特なものと言って良いでしょう。さらに日本には鮎と奄美大島にいる琉球鮎と分けられますが、琉球鮎は数が少なくかつ奄美大島の人も食べないのではないかと思います。なぜなら海に行けば魚はたくさん獲れるからです。
 古くは奈良時代の日本書紀や古事記の中にも出てくる「鮎」は日本の魚の代表でしょう。

鮎の食い方
北大路魯山人
 いろいろな事情で、ふつうの家庭では、鮎を美味く食うように料理はできない。鮎はまず三、四寸ものを塩焼きにして食うのが本手であろうが、生きた鮎や 新鮮なものを手に入れるということが、家庭ではできにくい。地方では、ところによりこれのできる家庭もあろうが、東京では絶対にできないといってよい。東京の状況がそうさせるのである。仮に生きた鮎が手に入るとしても、素人がこれを上手に串に刺して焼くということはできるものではない。

 鮎といえば、一般に水を切ればすぐ死んでしまうという印象を与えている。だから、非常にひよわなさかなのように思われているが、その実、鮎は俎上 にのせて頭をはねても、ぽんぽん躍り上がるほど元気溌剌たる魚だ。そればかりか、生きているうちはぬらぬらしているから、これを掴んで串に刺すという ことだけでも、素人には容易に、手際よくいかない。まして、これを体裁よく焼くのは、生やさしいことではない。

 もちろん、ふつうの家庭で用いているような、やわらかい炭ではうまく焼けない。尾鰭(おびれ)を焦がして、真黒にしてしまうのなどは、せっかくの 美味しさを台なしにしてしまうものだ。いわば絶世の美人を見るに忍びない醜婦にしてしまうことで、あまりに味気ない。

 こういうわけで、家庭で鮎が焼けないということは、少しも恥ずかしいことではない。見るからに美味そうに、しかも、艶やかに、鮎の姿体(したい)を完全に焼き上げることは、鮎を味わおうとする者が、見た目で感激し、美味さのほどを想像する第一印象の楽しみであるから、かなり重要な仕事と考えねばならぬ。だから、一流料理屋にたよるほかはない。

 いったい、なんによらず、味の感覚と形の美とは切っても切れない関係にあるもので、鮎においては、ことさらに形態美を大事にすることが大切だ。

 鮎は容姿端麗なさかなだ。それでも産地によって、多少の美醜がないでもない。

 鮎は容姿が美しく、光り輝いているものほど、味においても上等である。それだけに、焼き方の手際のよしあしは、鮎食いにとって決定的な要素をも っている。

 美味く食うには、勢い産地に行き、一流どころで食う以外に手はない。一番理想的なのは、釣ったものを、その場で焼いて食うことだろう。

 鮎は塩焼にして食うのが一般的になっているが、上等の鮎を洗いづくりにして食うことも非常なご馳走だ。
私がまだ子どもで、京都にいた頃のことであった。ある日、魚屋が鮎の頭と骨ばかりをたくさん持ってきた。鮎の身を取った残りのもの、つまり鮎のあら だ。小魚のあらなんていうのはおかしいが、なんといっても鮎であるから、それを焼いてだしにするとか、または焼き豆腐やなにかといっしょに煮て食うと 美味いにはちがいない。

 それにしても、こんなにたくさんあるとはいったいどういうわけだろうと、子ども心にふしぎに思って聞いてみた。すると、魚屋のいうのには、京都の三井 さんの注文で、鮎の洗いをつくったこれは(その)あらだという。

 私はずいぶんぜいたくなことをする人もいるものだなあと驚き、かつ感心した。それ以来、鮎を洗いにつくって食う法もあるということを覚えた。しか し、その後ずっと貧乏書生であった私には、そんなぜいたくは許されず、食う機会がなかった。それでも、今からもう二十五年も昔になるが、遂に私もこの 洗いを思う存分賞味する機会を得た。加賀の山中温泉に逗留していた時のことである。

 山中温泉の町はずれに、蟋蟀(こおろぎ)橋という床しい名前の橋があり、その橋のたもとに増喜楼(ぞうきろう)という料理屋があった。鮎とか、 ごりとか、いわなとか、そういった深い幽谷に産する魚類が常に生かしてあって、しかも、それが安かった。鄙びた山の中の温泉には、ろくに食うものがな いから、飯を食おうと思えば、どうしてもそこへ行くよりほかはなかった。

 そんなわけで、私はよく増喜楼へ人といっしょに食いに行った。そうした渓魚を食っているときに、ふと子どもの頃知った鮎の洗いのことを思い出した 。鮎も安かったからではあるが、さっそく鮎の洗いをつくらして食ってみた。驚いた。とても美味いのだ。なるほど、三井が賞味したわけだと合点した。

 美味いに任せて、その時はずいぶん洗いを食った。そうして人が訪ねて来るたびに、増喜楼へ案内して、洗いをつくらせてはご馳走した。ところが 、習慣とは妙なもので、たいがいの人は、あっさり食わない。頭はどうしたとか、骨を捨てちゃったのかと心配する。当時、京都相場なら二円くらいもする 鮎が、一尾三十銭ぐらいで始終食えたのだ。それが洗いにすると、一人前が一円以上につく。鮎をそんなふうにして食っては、なんとなくもったいないよう な、悪いような気がして、美味いとは知っても、勇気の出にくいものである。

 しかし、所を得れば、洗いは今でもやる。この鮎の洗いからヒントを得て、私はその後、いわなを洗いにして食うことを思いついた。

 いわなは五、六寸ぐらいの大きさのものを洗いにすると、鮎に劣らぬ美味さを持っている。

 鮎はそのほか、岐阜の雑炊》とか、加賀の葛の葉巻とか、竹の筒に入れて焼いて食うものもあるが、どれも本格の塩焼きのできない場合の方法であ って、いわば原始的な食い方であり、いずれも優れた食い方ではあるが、必ずしも一番よい方法ではない。それをわざわざ東京で真似てよろこんでいるも のもあるが、そういう人は、鮎をトリックで食う、いわゆる芝居食いに満足する輩ではなかろうか。

 やはり、鮎は、ふつうの塩焼きにして、うっかり食うと火傷》するような熱い奴を、ガブッとやるのが香ばしくて最上である。

毎年恒例の山菜ツアーでは鮎を囲炉裏でじっくりと焼く。
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鮎酒
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抜粋:: “空飛ぶ食いしん坊michaelの料理”。 Apple Books
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