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頑張ろう、STAY HOME 料理の紹介 鯵料理 [レシピ本からのご紹介]

みなさま
新型コロナウィウルス(COVID-19)はいよいよ日本にも第2波が襲いかかり、すでにパンデミックが起きております。日本は中途半端な緊急事態宣言でこれを乗り切ろうとしておりますが、果たして可能なのでしょうか?中国やヨーロッパでは完全なロックダウン、それでも私の世界の仲間たちは頑張っています。政治的な意見はあまり述べたくないですが、世界を飛び回っている私としては日本の政治家は本当に国民の命を守るということを考えているのか疑問です。
 とりあえず外出は控えてください。そして食材を買う時もSocial Distanceを守ることが重要です。かつ歩行中は前の人とは5m以上、ジョギングは10m以上、自転車は20m以上開けた方が安全だと思います。
 STAY HOME!! 突然襲ってきたこの良いのか悪いのかこの機会、まずは家族の安全が第1です。 
 さて、数年前に空飛ぶ食いしん坊料理教室の10周年記念として過去の料理教室で紹介したレシピの集大成を電子版レシピ本としてご参加の皆様へ配布いたしましたが、これからそのレシピをみなさまにご紹介していきたいと思います。料理はもちろん魚介類、単独の魚の種類は22種類、そのほか貝や甲殻類です。合計で189のレシピが載っています。もちろんこのブログの中でも半数は紹介されています。さらに世界を食べ歩き、シェフにレシピを聞いたり想像したりして作りました。
 自宅で長い間家族が一緒、一番の幸せは食事でしょう。しかし毎日の料理を考えるのは大変なこと、みなさまの参考になれば幸いです。
 

まずは鯵料理。
“私の料理教室は鯵で始まり、鯵で終わりました。そもそも私が一番最初に釣り上げた魚も鯵でした。私は山下公園のすぐそばで生まれ育ち、山下公園はいわば庭、岸壁には海に降りていく階段があり、そこにある隙間にいる蟹を取ったりしてよく遊んだものです。さらに横浜には以前貯木場がありその堤防の先で幼い頃父と釣りによく出かけました。その最初の釣行の時の話です。魚が釣れないと蟹やフナムシを追っかけて釣りに集中できません。釣りというのは釣れた喜びを知らないと気合が入らないのです。蟹採りも飽きて釣りを再開したらいきなり釣れたのが鯵。それ以来釣りの虜となりました。残念ながら横浜港は汚染や港内の再開発で釣りができなくなりました。その後は三浦の方へ釣りに出かけるようになりましたが中学に入ると楽しいことが他にもあり釣りどころではありませんでした。
 本格的に釣りを再開したのが航空会社に入社して副操縦士になってからです。先輩に誘われ江ノ島から釣り船に乗った時のこと。釣れたのが40cm級の大鯵。金色がかって丸々と太ってまさに美味しそう。それ以来また釣りにはまりました。
 鯵にまつわる自分の話は別として、漁師たちは高級魚を捕りますが、何が好きか尋ねるとみなさん決まって鯵と言います。魚を食べなれた漁師がいうのですから鯵は美味しいのです。飽きない味ですね。釣りも色々な釣りをしましたが、結局東京湾の鯵釣りに戻った。走水沖や房総の金谷あたりで釣れる金鯵は最高に美味い。
 鯵は巷で売っている値段の安いもはまき網で獲ったもの。網で獲ると大量に獲れるが、魚の扱いも雑になる。暴れた魚は網の中から直接船のカメに入って氷漬けにされる。一方で値段の高い鯵は一本釣り。漁師が一本釣りで釣り、生きたまま船のイケスに入る。関鯵はそのまま漁港の側の網の中に入って出荷時に活き締めにされる。味も鮮度も安いものとは全く違うのです。
 鯵は大きさにより、豆鯵、小鯵、中鯵、大鯵と呼ばれる。
大きさによる料理法
豆鯵:から揚げ
小鯵:南蛮漬け、握り寿司
中鯵:たたき、なめろう、アジフライ、日干し
大鯵:お造り

前述のように近年釣りといえばほとんど鯵釣り。横須賀の走水沖の鯵です。クンクンというアタリ、30cmも越えればその引きは楽しめる。そして上がってきた時の姿が本当に美しい。
走水沖の鯵は、金鯵またはプラチナ鯵という。普通鯵は、春の潮(濁ってプランクトン豊富な水)とともにくるものが美味しいとされるが、走水沖の味は居着きの鯵で東京湾のプランクトン豊富な早い潮の中で育つので旬はと聞かれても年中と答える。中には腹ワタを出した時にたっぷりの脂肪が付き、さらに皮を引くとベッタリと脂が表面に乗っているものもいる。これは刺身で最高だ。
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さて私が鯵釣りをするのはこのためです。
料理はアジフライ。
釣り立ては刺身が良いのではとよく言われるが、釣り立てアジのフライは魚料理の中で一番だ。
魚、肉もそうだがこれら食材を調理するときに一番重要なのはそれに含まれる水分。その水分が臭くなってしまったらその味は半減。つまりタンパク質を料理するときはその水分をいかにコントロールするかだと思う。さらに魚の場合、血の処理が重要。日が経つとその血が臭みの原因になる。
そこでこの釣り立てアジフライ、その日に釣ったものはもちろん臭みもなく、フライにしたときにその水分は完璧に身を蒸し、フワフワとなるのである。
私はこのために中鯵がまるまる1匹あげられる銅製の天ぷら鍋まで用意している。
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【材料】
刺身用アジ・・・・・・・・4匹
塩・胡椒・・・・・・・・・適量
小麦粉・・・・・・・・・・適量
卵・・・・・・・・・・・・1個
パン粉・・・・・・・・・・適量
揚げ用油・・・・・・・・・適量
キャベツ・・・・・・・・・適量
【作り方】
1.アジは背開きにする。難しい場合は3枚おろしでも良い。
2.1. の鯵に軽く塩をふって30分ほど冷蔵庫に入れる。
3.2. の鯵を水洗いしてからしっかりと水気を拭き、塩・胡椒で味付けをする。
4.卵と粉を合わせておき、鯵に粉を振ってから卵に通し、たっぷりのパン粉をまぶす。
5.揚げ用油は180度に熱し、アジの皮目を上にしてから30秒、裏返して30秒揚げて油を切る。
6.キャベツを皿に乗せ5.を乗せて出来上がり。食べ方はソース、醤油と大根おろしなど。
揚げすぎないのがコツ。

もちろん鯵のたたきも
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鯵のたたきは初心者の最初に教える料理である。捌いた時に骨に身が多くついてもそげ落とせば食べられる。下ろしに失敗しても美味しく食べられる料理である。もちろんプロが作るたたきはそのキレ具合から味は異なるが。
【材料】(2人分)                  
中鯵・・・・・・・・1匹
長葱・・・・・・・・1/4本
生姜・・・・・・・・1片
大葉・・・・・・・・1枚
つま・・・・・・・・適量
【作り方】
1.中鯵は、綺麗に鱗を取り、ゼイゴを取る。
2.頭を落として、内蔵を取り出し、腹の内側を綺麗に水で洗う。血合いも丁寧にとる。
3.魚の水気を拭いてから、3枚に下ろす。
4.血合い骨を取ってから、皮を剥く。
5.長葱はみじん切りにする。
6.鯵の身を細かく刻み、長葱とあわせる。
7.つまを皿に盛り、頭をおき、中骨をそらして竹串で頭と固定させる。
8.大葉を中骨の上に敷き、たたきを乗せる。おろし生姜を横に添える。
 写真のように姿造りにすれば見栄えが良い。

さて鯵を釣って帰った後の料理を食べるときには冷えたビールで始まる。たたきやアジフライはこれで良いのだが、次の料理からはやはり冷酒がなくては始まらない。まだうまい冷酒がない頃、魚料理には香川の綾菊や広島の酔心なんぞの清酒、ちょっと甘口の酒で香りの強いものが私の主流だった。いまではもちろん淡麗の吟醸がよい。
その料理はこれ。なめろう。
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なめろうは房州の漁師料理である。船上で漁師が食事をするときのお供したもの。刺身だけでは物足りない時に味噌や薬味を使ったものにアレンジした。外房には「なめろう研究会」なるものがあり正当ななめろうの普及に努めている。会長は寿司屋の大将で釣り好き、南房総へ釣りに行くときには必ず訪れる。新鮮なアジを使うのが正当だとか。さんが焼きは、漁師が山仕事の時になめろうを焼いてもっていくための料理だそうである。
【材料】(2人分)                  
中鯵・・・・・・・・1匹 (新鮮な魚を使うのが良いと研究会会長は言っていた)
長葱・・・・・・・・1/4本
生姜・・・・・・・・1片
大葉・・・・・・・・1枚
味噌(田舎) ・・・ おおさじ2/3 味噌は自分が好きな味噌で行うのが良い。
醤油・・・・・・・・少々
 
【作り方】
1.鯵を下ろすまではたたきと同じ。
2.長葱、大葉はみじん切りにする。
3.生姜は卸して、絞り汁を取る。
4.鯵の身は細かくたたく。(たたきよりも細かく、粘りがでるまで。これがポイント)
5.4. に長葱、大葉を混ぜ、さらに味噌を味見しながら足していく。
6.最後に醤油を数滴隠し味で加える。
7.皿に大葉を敷き、その上に盛る。
 
鰯やイサキでも作る。特にイサキは旨い。
さんが焼きはこのなめろうを油を引いたフライパンで焼いたもの。
作る時は味噌を若干減らした方が良い。焼くと塩気を強く感じる。
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そして締めは寿司。
ちょっと酢で締めた鯵は美味い。そのままでもいけるが、私は小田原の名物駅弁鯵寿司が昔から好きである。しかし自分で作り出したら駅弁は食べれなくなった、
 小アジが釣れてもがっかりしない。むしろ身半身で寿司一貫にするので嬉しい。小アジでも味はしっかりしている。中鯵の時は寿司ネタの大きさ切って握るかそのまま半身を使い、型に入れて押し寿司、または棒寿司でも良い。もちろん酢で締めずそのまま握っても良い。
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【材料】(2人分)                 
小鯵・・・・・・・・6匹
米 ・・・・・・・・1合
寿司酢・・・・・・・おおさじ2
塩 ・・・・・・・・おおさじ3
酢 ・・・・・・・・半カップ
昆布・・・・・・・・少々
酒 ・・・・・・・・少々
【作り方】
1.小鯵は、綺麗に鱗を取り、ゼイゴを取る。     
2.頭を落として、内蔵を取り出し、腹の内側を綺麗に水で洗う。血合いも丁寧にとる。
3.魚の水気を拭いてから、3枚に下ろす。
4.バットに下ろした鯵を入れ、塩をする。(小鯵で15分、中鯵で30分)
5.時間がきたら鯵を水洗いする。
6.タッパウエアなどの深い器に鯵を入れ、酢、昆布、酒少々を入れ、30分ほど置く。
7.血合い骨を取り、皮を剥き尾の部分は少々カットする。(見栄えが良くなる)
8.酢の水気を切り、寿司を握る。または木枠に入れ“重石を置く。
 
シャリとネタの間に大葉やおぼろ昆布を入れても美味い。

抜粋:: “空飛ぶ食いしん坊michaelの料理”。 Apple Books


抜粋:: “空飛ぶ食いしん坊michaelの料理”。 Apple Books
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早稲田大学鋳物研究所スキー部長

レシピありがとうございます。私も、子供の頃、山下公園で遊びました。特に海へ下りる階段では、海の先の外国に想いを馳せました。
困難なコロナ状況下、michel様のご健康と安全運航を祈念します。
by 早稲田大学鋳物研究所スキー部長 (2020-04-15 05:23) 

michael

早稲田大学鋳物研究所スキー部長様:コメントありがとうございます。ご近所さんだったということですね。今ではあのような場所で遊ぶことは許されないでしょうが、子供にとっては楽しいひと時でした。 Off会でもして昔話をしたいです。どうぞこの厳しい状況の中ご家族とともにご健康を祈念いたします。
by michael (2020-04-15 09:31) 

TaekoLovesParis

鯵フライ、新鮮さが一番なのですね。千葉・勝山へ行った時、ふわっと美味しいのを食べたのを思い出します。
見てたら食べたくなったので、明日、ちょっと遠いけど、歩いて、いきのいい魚を売ってるスーパーに行ってみます。
by TaekoLovesParis (2020-04-15 14:44) 

michael

TaekoLovesParis:コメントありがとうございます。アジフライは活きの良いものを選んでください。そして油の温度は180度、揚げる時間も30秒ずつです。温度と時間も重要です。 Bon appetit!!
by michael (2020-04-15 15:01) 

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