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バカリャウ料理 [お店(サンパウロ)]

バカリャウとは乾燥塩鱈のこと。日本ではあまり馴染みが無いかもしれませんが、この乾燥塩鱈の出現でヨーロッパ各国は大航海時代を迎えることができたといっても過言ではありません。更にヨーロッパの漁師達が鱈を求めて現在のカナダ付近、つまり新大陸にコロンブスよりも先にたどり着いていたという説も現在あります。鱈という魚は10世紀頃すでにバイキングが乾燥鱈を船に積み現在のイギリスまでたどり着き、現在でもスコットランドにはバイキングがもたらした薫製鱈料理が残っています。その後北海で採れる鱈はヨーロッパに広がり、特にカトリックの国々では謝肉祭(カーニバル)の後、イースター迄の間の四旬節に肉を食べてはいけないという習慣があり、この間のタンパク源となったのです。次第に北海の鱈は枯渇しスペイン、ポルトガル、フランス等の漁師達は更に大西洋にその漁場をもとめて航海に出たのです。塩蔵という技術を確立したお陰で、遠く新大陸迄進出し、母国に戻れば御殿が立ったと伝えられています。しかし、戻れたのは半分程度、荒れた大西洋を行き来するのは相当厳しかったのでしょう。ウンチクはこれくらいにして、これがバカリャウです。
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もの凄い塩の量を使っていますが、熟成していてこれがまた旨い。これを日本迄買って持ち帰るにはしっかりと真空にしなければいけません。(魚の加工品の国内の持ち込みは可能)

さてこのバカリャウは大航海時代にポルトガルからブラジルに伝わり、ブラジル伝統料理の一つになっています。今回のサンパウロ泊まりは丁度カーニバルの終わる日、まさにバカリャウを食べる日の始まり、バカリャウ専門のレストランを見つけて行きました。
お店の名前は「Rei do Bacalhau」
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ロゴには可愛い鱈が。

店内に入ればここはポルトガルかと思うほど、ポルトガルを意識しています。
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さてお目当てのバカリャウ料理のメニュー。
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バカリャウは約2晩ほど水に漬けて塩抜きして料理します。(私の料理教室で一晩戻した物を使いましたが、塩抜きが足りなかった)揚げたり、焼いたり、スープにしたり、コロッケにしたり料理法はたくさんあります。

先ずは前菜。
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オリーブとサラミ。そしてバカリャウのコロッケ。(Bolinho de bacalhau)私の大好物。教室でも紹介しましたが白ワインに合う一品です。
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教室では普通の塩ダラとバカリャウを使った作った物を比べましたが、バカリャウを使ったものの方が断然味に深みがあり旨い。

そしてお目当てのバカリャウを揚げたもの。(BACALHAU À Guimarães)
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これで一人前。お値段もかなりします。

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勿論白ワインがばっちり。チリやアルゼンチン産がお店で1本2000円くらい。

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何でこんなに旨味が凝縮しているのだろう。本当に旨い。大型の金目鯛の干物のような感じ。ただし、熟成が違うと思う。そしていつも感動する、南米の野菜達。ジャガイモは南米原産、味と香りが本当にいい。ジャガイモがうまいと私は嬉しいのです。本当に感動!!!

最後にデザートはパパイヤのムースにカシスのリキュールを合わせたもの。
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ヨーロッパ的で本当にうまい。

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ワインもたくさんあります。

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ポルトガルを偲んでいるのでしょうか。

1月の教室はブリか鱈ですが、来年は鱈に決定。サンパウロに来て更に研究しないと。
ちなみにバカリャウ料理はスペインやイタリアにあります。

Rei do Bacalhau
http://www.reidobacalhausp.com.br


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コメント 4

ぺこりん

今年は支倉常長がスペイン・ポルトガルに渡ってから400年の記念の年だそうです。
コロッケおいしそうですね。
by ぺこりん (2013-02-16 16:11) 

michael

そうですか。支倉常長を渡欧させた伊達政宗の先見の目も素晴らしいですね。ローマ法王にまで会ったとは信じられません。鎖国が無ければ仙台はラテン化していたかも知れませんね。NHKで見ましたが、渡欧組の子孫らしき人たちがスペインかどこかにいるのですよね。
by michael (2013-02-17 00:07) 

Tomo

スペインでもポルトガルでもバカリャウ料理たくさん食べてきました!コロッケもヒヨコ豆とサラダにしたのもとっても美味でした。
by Tomo (2013-02-17 02:40) 

michael

Tomoさん:今年はヨーロッパのどこかで会いたいですね。
by michael (2013-02-18 17:38) 

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